アフターコロナ、Withコロナ、ニューノーマル等の今後の社会については、「アフターコロナで二極化が加速する」に記載しています。企業戦略の視点で、二極化が加速していくのかを説明します。
今後の社会において、企業が継続的に成長していくためには、「より大きく」なるか、「より筋肉質」になるかのどちらかの加速が必須です。
地域:グローバル化 or スマートコミュニティ化
・世界各拠点で事業展開しているグローバル企業はグローバル化をより加速する事で成長を促進させます。
・グローバル全体で、生産、マーケティング、販売などのバリューチェーンを最適化する事で、規模の経済で得られるメリットを最大化します。
・一方、世界各拠点に事業展開する程の体力がない企業は、勝てる地域での絞込みが必須です。
・規模が小さい企業が自分より大きい企業に勝つためには、ターゲットを絞り込みに、自社のリソースを集中することでしか勝つ事はできません。
・地域を絞った企業が更なる成長する戦略としては、その地域で他業種プレイヤーや技術力を持っている企業と連携し、その地域でスマートコミュティを構築する事です。
・ソーシャルディスタンスの必要性から、中央集権的から地方分権的への経済が見直しが発生すると考えられます。
・地方経済の活性化のためには、各地域で地域企業連合などにスマートコミュニティ/スマートシティ化が必要になります。
バリューチェーン:フルバリューチェーン or アウトソーシング化
・地域に加え、企業が勝ち残るためには、バリューチェーンでも見直しが必須です。
・一つは、川上から川下までフルバリューチェーン化を推し進め、自社のコントロールにより市場変化が起きても、リスクを最小化するアプローチです。トヨタはその代表例です。
・一方、自社が勝てるバリューチェーンにフォーカスし、競争力がないバリューチェーンはアウトソーシングを加速するアプローチです。
・例えば、アップルは研究開発、プロダクト設計と顧客接点のマーケティング、販売などは自社で抱えているが、製造業務はOEMメーカーに委託しています。
・コロナ影響によりバリューチェーンが分断化した事をきっかけに、自社のバリューチェーンをコアとノンコアに識別し、限られたリソースをコアなバリューチェーンに集中投下すべきです。
レイヤー:デジタルとリアルでの顧客囲い込み or エコサイクル構築
・最後はデータ・テクノロジーレイヤーやデジタルやリアルの融合などのレイヤーの着眼点です。
・GAFA(特にアマゾン)などは、このタイミングで物流や小売りなどのリアル領域への進出を加速させ、リアルとデジタルでの顧客囲い込みを推進させるでしょう。
・現に、アマゾンは米国最大の映画館チェーンの買収の噂が出ています。
米AMC株一時56%高-アマゾンが買収の可能性巡り協議との報道で - Bloomberg
・一方、GAFAなどのメガプラットプラットフォーマーと競争するのではなく、プラットプラットフォームを活用して、自社事業を強化する戦略です。
・例えば、米国の家電小売りのベストバイは、アマゾンと協業する事で、リアル店舗はショールームの機能にして、実販売はEC販売を前提としたビジネスモデルを再構築しました。
・例えば、国内百貨店などは、今からデジタル化をしてもテック企業に勝てません。ならば、プラットフォーマーとエコサイクル構築して、ビジネスモデルを再構築する戦略を取るべきです。