全コンサルティングファームがどのようなポジショニングをしているかを整理しました。
各ファームの実情は、下記記事をご覧ください。
各コンサルティングファーム ケイパビリティマップ
・「◎→○→△」の三段階で評価。市場における「規模(売上)」と「付加価値(人月単価)」の2軸で評価。
・PMOなど各社で差別化がない場合はTier1グループのプレイヤーを◎と評価。
・戦略ファームのデジタル部隊、総合ファームの戦略部隊、SIerのコンサル部隊などは各部隊での評価も実施。
・サービスラインは「コンサル案件の種別一覧と内容」を参照。
・従来型システム開発とデジタル系の違いは「従来型システム開発とDXプロジェクトの違い」を参照。
戦略ファーム
・戦略ファームは基本的に、戦略案件フォーカス。但し、近年は、戦略の実行局面(企業変革実行)の支援までやるケースも多い。
・各戦略ファーム、IT/デジタル領域も強化中。大体、元IBMか元アクセンチュアの人達が戦略ファームのIT/デジタル部門に多数いる感じ。
・特に、BCGは、企業変革実行支援、IT/デジタル領域の進出などの拡大戦略を実行中。
・マッキンゼー、ベインは従来通りの戦略案件フォーカスが基本。
・BCGは、戦略ファームによる戦略の実行局面(企業変革実行)の支援により、近年、急拡大。
・A.T.カーニー、ローランドベルガーはオペレーション戦略から業務改革までの実行を支援で案件のストック化を狙う。
・戦略立案系の中でも、経営/オペレーション系は業務系/IT系に繋がるので総合ファームの存在感も強い。全社/事業戦略系は戦略ファームがやはり強い。
・コンサルティングのなかでも、戦略案件がやりたいという方は、戦略ファームに転職すべきです。
・総合ファームの戦略チームは大型システム開発やアウトソーシングなどの後続サービスを勝ち取るための戦略ジョブにアサインされる可能性もあります。
総合ファーム
・アクセンチュアは、コンサルティングからシステム開発/アウトソーシングまでのフルサービスラインを保持。近年は、コンサルデパートからデジタル総合商社へ。
・4大監査(デロイト、PwC、EY、KPMG)はIT系のPMOぐらいまで対応。デロイト/PwCが各サービスで強く、EY/KPMGまでまだ各サービスを強化・拡充段階。
・規模でもデロイト/PwCは2,000~3,000人程度の要員がいる一方、EY/KPMGは1,000人強程度の規模感。
・4大監査系は、国内では、システム開発は自社リソースをほとんどもっていない。
・デロイト/PwCは実システム開発部隊も強化中。アクセンチュア/IBMとフルサービスラインの戦いに。
・ビッグ4なので、もちろん、財務/会計領域は強い。
・PwCによるブース買収、デロイトによるモニター買収、アクセンチュアによるカートサーモン買収など、M&Aなどにより、総合ファームは戦略部隊を強化中。転職市場でも、戦略ファームからMDクラス、マネジャークラスの採用を積極的に実施中。
・外資系コンサルティングに転職したいけど、戦略コンサルタントのUP or OUT文化などを心配している方は、総合ファームへの転職がお薦めです。
・ビッグ4とACなら、”外資系コンサルティングファーム”に勤めていますと言っても、否定される事はないと思います。
・ACはテクノロジーとオペレーション部隊は、事業セグメントとしてコンサルティングではないので、ACでコンサルタントと堂々と言いたい場合は、戦略、コンサルティング、デジタル戦略の部署に転職するべきです。
SIer系
・IBMは、アクセンチュア同様、コンサルティングからシステム開発/アウトソーシングまでのフルサービスラインを保持。メインのIT/デジタル領域は強く、基礎技術レベルは他者は追いつけない。
・アビームは、パッケージのSAP導入市場にフォーカス。
・NRIは、野村証券グループを中心とした金融領域と、セブンイレブングループを中心とした流通領域に強い。
・他国内大手SIerはポジショニングがフォーカスできていない。従来型システム導入、保守運用のビジネスから脱却できていない。これが一番強いと言えるものがない。どれもが中途半端。
・SIer系は親会社の関係も含め、コンサルティングファームと判断するのは、人により解釈が異なるかなと思います。なので、コンサルティングファームでコンサルタントしているというミーハー的な気持ちがあるのならば、SIer系への転職はお勧めしません。
ご参考
・各ファームの年収が気になる方は「コンサルティングファームの年収:戦略ファーム/総合ファームの役職別年収」を参照。
・コンサルに興味がある程度で、まだ業界研究や具体的な仕事を知らない方は「コンサルタントになる前に読んだ方が良い本」を参照。