厨二コンによる随筆的ブログ

コンサル、思考力や生産性、厨二

コンサルへの転職と就活:総合系コンサルファーム一覧と実情

各コンサルティングファームの実情を纏めです。総合系コンサルファーム編です。
戦略系ファーム編SIer系 編もご参考に。

総合ファームの定義は特にないですが、本件では会計/監査系の流れを汲むファームを対象として、ビッグ4と旧アーサーアンダーセンであるアクセンチュアの5社を対象としました。旧PwCで現IBMのGBS部門などのITサービス企業に買収された場合は、SIer系 編に取り纏めました。

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総合系コンサルファーム全体概要

4大監査(デロイト、PwC、EY、KPMG)系のコンサルティング法人、
アーサーアンダーセン監査から独立したアクセンチュア
の5社がメインプレイヤー

2020年時点、国内コンサルティング市場における規模や存在感の順では、

アクセンチュアが規模的にもリード
PwC、デロイトが2番手グループ
EYは急拡大中、KPMGは存在感が低い、

グローバル市場は、4大監査系及び、アクセンチュアとIBMは、各社が10万人以上の社員を抱える巨大グループ。ここでのランキングなどは意味がない。
前者は監査系グループのコンサル部隊であり、後者の2社はテクノロジー企業のコンサル部隊の差ぐらいです。

国内でも、アクセンチュア、IBM、デロイト、PwCの4社で多くの人材は行ったり、来たりです。正直、この辺をぐるぐる回るキャリアはお薦めしません。私が面接者として、職務経歴書見ても、「あー」という感じです。

アクセンチュア:Accenture

アクセンチュア

・グローバルで40万人以上、日本でも1万2,000人以上を抱えるコンサルの総合商社。コンサルファームというよりは”デジタル商社”のが実態ビジネスに近い表現。
・戦略、業務、システム、デジタル、アウトソーシングなどのフルサービスライン
・実システム開発やアウトソーシングを除き、コンサル対応人数として4,000~5,000人ぐらい。
・近年は、”デジタル ”をキーワードとしたマーケティング成功。
・グローバルでもIBMを脅かす存在。時価総額ではIBMを上回る(2020年4月時点)。株価は2000年の上場から10倍以上。
・近年、戦略部隊もMBBクラスからの転職者も多数。デジタル部隊は代理店などからの人材も採用。金髪やタトゥー有りの人材も受け入れ。
・働き方改革を推し進め、ホワイト企業と思われる企業に。しわ寄せがマネジャー/シニアマネジャーにきており、所謂、エース級と呼ばれる人は忙しいという噂。
・カルチャーとして、総合ファームの中では一番、米系コンサルっぽい。わいわい騒がぐのが好きな人は向いている。
・案件/人材ともの種類も数も多い。キャリアは、誰とどのような案件をするか次第。
・自分自身でキャリアをどう形成していくかを主体的に考えられ、会社のリソースを使ってやる人みたいな人が良い。逆に、受身のキャリア形成ならお薦めしません。

デロイトトーマツコンサルティング:DTC

デロイト トーマツ コンサルティング

・業務改革などの業務コンサルがメイン。近年はIT/デジタル領域も強化中。結果、どのファームも似たり寄ったりな感じに。
7、8年前からの急拡大この10年で500人から2,000人超ぐらいに。
・年収UPでの人材引き抜きによるDTCの拡大戦略で、ここ5、6年で総合ファーム全体の年収がアップ。結果、年収>市場価値の人が大量発生。
・昔は新卒からきちんと育てる文化だったが、今は、中途が増加で品質維持も苦労している状況
・直近は、幹部が他総合系ファームに丸ごと引っ越し中。成長は鈍化傾向。
・グローバル、特に米国では、デロイトコンサルティングは他4大監査系より一歩リード。
・国内なトーマツの名が残っているのが示すように、グローバルワンファームというより、”デロイト”ブランドを借りながら、国内は日本人経営メンバが経営権を保持。
・他ファームと比較すると、組織の繋がりが強い。文化も日本的官僚な所あり、勉強が出来て、真面目な人が多い。

PwCコンサルティング

PwCコンサルティング合同会社法人案内 | PwC Japanグループ

・監査系ではDTCとPwCが2強。最近はDTCの勢いが鈍化した事でPwCのが勢い有り。人数規模としては2,000人~3,000人ぐらい。
・業務系に加え、IT領域を対応。戦略はブースを買収し、「Strateg&」に。
・他総合ファームが戦略部隊を同ブランドで展開しているが、PwCはStrategy&というブランドで展開。
・経営、採用/評価などもStrategy&は独立権を得ている模様。

中途入社がメインであり、明確な会社の文化というものがある訳ではない。
・中途での大人の付き合いで、表面的な付き合いで本音が分からない感じの雰囲気有り。公家文化。
・働き方などもアクセンチュア、DTCと比較して、無理はしないスタンス。
・大人の対応ができ、育ちが良さそうな人が多い印象。

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社

・国内監査系は、数年前までは2強2弱体制。
直近、人員拡大による急拡大。某ファームから経営幹部が大移動中。コンサル部隊は1,500人ぐらいの規模にはなったかと。
・他ファーム同様だが、コロナ前はコンサルバブルで需要が強かったため、人材獲得で売上拡大ができた。今後は不明。
・国内で、EYグループは監査が強かったために、コンサルが限定されていたが、最近、監査が弱体化。(※基本的、監査を対応している顧客にコンサルは禁止)
・数年前は、戦略系案件は外資の国内市場参入支援程度ぐらいだったが、現在は拡大しているかと。

KPMGコンサルティング

KPMGコンサルティング

・国内コンサル市場では存在感が低い。
・金融業界や外資系領域の顧客がメイン。
・ビック4なので、サービスは内部統制、リスク管理、会計領域などは相対的に強い。
・バイリンガルなどが多い印象。
・1,000人ぐらいの規模。HP見て初めて知りました、意外と多かった。。。
・HP見ての感想ですが、案件やサービス紹介の”雑”感は否めないですね。まだ実績が十分でないかと推測。

ご参考

・戦略、総合、IT系などの各ファームのサービスの違いは「コンサル一覧と実情:全コンサルティングファーム俯瞰図」を参照。
・各ファームの年収が気になる方は「
コンサルティングファームの年収:戦略ファーム/総合ファームの役職別年収」を参照。
・コンサルに興味がある程度で、まだ業界研究や具体的な仕事を知らない方は「コンサルタントになる前に読んだ方が良い本」を参照。