各コンサルティングファームの実情を纏めです。戦略系コンサルファーム編です。
総合系ファーム編とSIer系 編もご参考に。
- 戦略ファーム全体概要
- マッキンゼー・アンド・カンパニー:McKinsey & Company
- ボストン・コンサルティング・グループ:Boston Consulting Group
- ベイン・アンド・カンパニー:Bain & Company
- A. T. カーニー:Kearney
- ローランド・ベルガー:Roland Berger
- アーサー・D・リトル:Arthur D. Little
- ドリームインキュベータ(DI)
- 経営共創基盤(IGPI)
- コーポレイト ディレクション(CDI)
- 総合ファームの戦略チーム
- ご参考
戦略ファーム全体概要
グローバルでのブランド力(≒単価)では”MBB”が強い
マッキンゼー・アンド・
ボストン・コンサルティング・グループ:Boston Consulting Group
ベイン・アンド・カンパニー:Bain & Company
特にマッキンゼーのブランド力が一番。その次に、
A. T. カーニー:Kearney
ローランド・ベルガー:Roland Berger
とい業界構図。
MBB以外は戦略ファームは総合ファームにいつ買収されてもおかしくない。
ブースはPWCに、モニターグループはデロイトに、カートサーモンはアクセンチュアに買収されています。
ブースが自らコンサル市場を分析した上で、MBB以外の戦略ファームは厳しいと判断して、PWCに買収されたという噂も。
国内市場はグローバルと国内は少し違い、マッキンゼーとBCGの2強。国内事業規模と勢いではBCG。
元BCGメンバーが創業者のドリームインキュベーター、経営共創基盤、CDIの3社が和製戦略ファームも一定の存在感。
各戦略ファームは、IT/デジタル領域も強化中、特にBCG。大体、元IBMか元アクセンチュアの人達が戦略ファームのIT/デジタル部門に多数いる感じです。
マッキンゼー・アンド・ カンパニー:McKinsey & Company
・世界最大の戦略ファーム。“ザ・ファーム”の異名を持つ。
・”One Firm Policy”という企業理念でグローバルワンファームの色強い。グローバル共通のベストプラティクスを志向。
・日本でも外国人パートナーが多い。グローバル共通採用の窓口も有り。
・情報処理能力、地頭、学歴、経歴ハードルも高い。
・世界各国のマッキンゼーと比較して、国内は相対的にそこまで強くはない。
・一部グローバルカンパニーやファンドでは、とりあえずマッキンゼーに頼む習慣も。
・日本は500人ぐらいかと。元マッキンゼーの方が本などを出し、知名度向上。
・昔、BCGがマッキンゼーに勝つための戦略策定支援した噂も。
ボストン・コンサルティング・グループ:Boston Consulting Group
・国内で1番勢いと事業規模を誇る戦略ファーム。
・グローバルベストプラティクスを押し付けず、国内企業のカスタマイズできる柔軟性で拡大。
・近年、IT/デジタル、ベンチャー領域も拡大中。TA(Technology Advantage)部隊、Digital BCGとBCG Digital Venturesなど。TA部隊に総合ファームの転職者が多数。
・採用もマッキンゼーと比較すると、学歴/経歴より地頭・実績重視のイメージ。
・現在、国内で700~800人ぐらい。
・5、6年前から企業変革やデジタル/IT戦略を強化で、総合ファームから大量に移動。
・総合ファームのマネジャー/シニアマネジャークラスをシニアコンスで採用。
・近年の採用拡大で、戦略案件のデリバリー品質がどこまで維持できているかは業界の人々が気になる所。
ベイン・アンド・カンパニー:Bain & Company
・グローバルではMBBだが、国内だとMBとBain。一般的な国内知名度も同様。
・「徹底的な結果主義」特徴。この徹底的な結果主義は、マッキンゼーやBCGと差別化したベインの強みで、MBAのケーススタディーにも。
・マッキンゼー、BCGと比較して、事業戦略系の案件、兄弟のベインキャピタル(資本関係上は関係なし)もあり、ファンドに対するM&A支援(M&A戦略、ビジネスDDやPMI)が比較的多い
・雰囲気も良く、働きやすいとの事。
・マッキンゼーとBCGは元も含め、良く出会うが、Bainはそこまで頻繁に会わない。
・国内は200~300人ぐらいじゃないかと。200人もいないかも。
・ちなみに、M&A業界ではベインと言えばベインキャピタルの方。
A. T. カーニー:Kearney
・オーペレショーン戦略では有名。実績を含め1番かと。
・特定のインダストリーとか、サービスに尖った人がいる。本当に大好きなんだなと。
・自ファームが好きな人も多いので、採用もこだわりが強いイメージ。
・コンサルファーム伝統の徒弟的な関係での育成スタイルを志向。
・最近、同年代の30代が日本代表に。経営判断としてすごい。
・国内は大体100~150人ぐらい。
・グローバルブランド名を“KEARNEY” へと刷新したそうです。今回、初めて知りました。
ローランド・ベルガー:Roland Berger
・ドイツ発祥のファームという事で、昔から自動車業界を中心とした製造業が強い。
・カルチャーとして、欧州系。米国系よりは”Up or Out”でない。
・ビジネスDDをMBBよりコストを抑えた提案、受注。
・若手は、短期間で大量の調査分析系業務で大変そう。疲弊気味。
・若手の転職率も高いじゃないかな。
・国内では100人ぐらい。
・最近、公式ツイッターが話題に。(※2020年5月時点)
アーサー・D・リトル:Arthur D. Little
・ほとんど存在感ないが、技術系の特定分野などでは強みを発揮。
・国内は50人もいないんじゃないかと。
・博士とかドクターまでいって、自分の研究分野を持っている人には良いと思います。
ドリームインキュベータ(DI)
・BCGの元日本代表の堀さんが創業。日本で100社のソニーやホンダの会社を作るが企業理念。
・「ビジネスプロデューサー」と「インキュベーション」いうポジション。
・新規事業やベンチャーと大企業との協業支援に強い。ベンチャー投資も実施。
・創業時点は勢いがあったが、最近は昔ほどの勢いはない感じ。
経営共創基盤(IGPI)
・元BCG、CDI創業者の一人、産業再生機構の富山さんが創業。
・「企業再生」、「リアル経営支援」のポジショニング。
・コンサルティングサービスに加え、自ら投資して、投資先の経営支援も実施。
コーポレイト ディレクション(CDI)
CDI | Corporate Directions, Inc.
・国内の老舗、戦略ファーム。
・後発組のDI、IGPIに知名度も低く、事業規模も小さい。
・ネットでの従業員の声を見る感じ、ファミリー感があって、働きやすいとの。
総合ファームの戦略チーム
結論、戦略検討だけをやりたいなら戦略ファームに行くべきです。
戦略も1つの手段と捉え、企業変革実行支援やデジタル/ITを駆使して企業価値向上を支援したいなら総合ファームがお薦めです。
但し、外資系は偉く(パートナー)なると数字が指標は同じです。
つまり、戦略だけで年間5億円稼ぐバートナーと、ITやアウトソーシングなどを含め、年間20億円稼ぐパートナーだと、後者が評価されます。
ご参考
・戦略、総合、IT系などの各ファームのサービスの違いは「コンサル一覧と実情:全コンサルティングファーム俯瞰図」を参照。
・各ファームの年収が気になる方は「コンサルティングファームの年収:戦略ファーム/総合ファームの役職別年収」を参照。
・コンサルに興味がある程度で、まだ業界研究や具体的な仕事を知らない方は「コンサルタントになる前に読んだ方が良い本」を参照。