厨二コンによる随筆的ブログ

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アフターコロナで二極化が加速する

「アフターコロナ」、「Withコロナ」、「ニューノーマル」などの言葉が生れています。このテーマについて、「個人」、「企業」、「社会」単位で考えたいと思います。

ペスト (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

  • 作者:カミュ
  • 発売日: 1969/10/30
  • メディア: ペーパーバック
 

「新型コロナ」ショックの特徴

一番のポイントは、「順番」と「規模」です。

資本主義以降、大きなショック(良く比較されるのは)は、世界恐慌、ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショックです。過去の世界規模の経済危機は、どれも金融⇒製造⇒消費/サービスの順で起きています。極端な言い方をすれば、金融ゲームトリガーです。

しかし、コロナショックは「消費/サービス⇒製造⇒金融の順です。震災などで「消費/サービス、製造⇒金融」の場合はありますが、世界同時でこの規模は資本主義以降、初めてです。
「消費/サービス⇒製造⇒金融」が上手くコトンロールしないと、第2、3の波が起き、砂地獄に嵌るリスクがあります。例えば、コロナが収まっても、既に製造領域が弱体化していれば、供給が制限され、経済活性化は限定されてしまいます。また、貸倒れ多発などでの金融危機でコロナ金融危機という第2波が来るかもしれません。

今後の世界で一つ言えることは、誰も予測することのできない“超確変”モードに突入するということです。この“超確変”モードになると、どの単位でも二極化が加速されると予測しています。

「個人」における二極化

個人単位で考えると、一番、危険な立場な人は企業勤めのサラリーマンです。特に、大企業の中間管理職(候補)の方で、年収800~1,000万円前後の方々です。コンサルファームに属して、課長代行みたいな高級派遣社員化している方も含まれます。

テクノロジーの進化により、供給(生産/サービスなど)と需要(顧客/消費者など)がダイレクトに結びつく時代が加速します。

例えば、今まで芸能事務所、テレビ局、代理店を通してでないとコンテンツを制作し、エンドユーザに届ける事ができませんでした、しかし、YouTubeの誕生で、誰もがスマホ1台でコンテンツの制作・流通までできるようになりました。

過去は、構造的に価値がダイレクト流通できなかったため、良くも悪くも価値が分散されていました。結果、価値が高い人は金銭的に損をしていて、価値が低い人は得していた状況です。組織におけるパレード(2:8)の法則です。所謂、組織の8割の価値は2割の人材が創出していたということです。

コロナ影響により、テクノロジー進化と、オンライン会議の大衆化などユーザーのリテラシー向上が加速します。結果、ダイレクトでの価値の流通も加速され、価値に紐づいた年収になると思います。
そうなると、中間マージン的な機能(中間管理職)は不要になります。極論、人は、意思決定、戦略検討とエンドユーザ接点だけで良いのです。

元プロポーカーの友人のエピソードで、1,000万円~1億円を賞金で稼いでいたプレイヤーがAIの登場により、1,000万以下と、1億円以上のプレイヤーに二極化し、中途半端なプレイヤーが一番、影響を受けたそうです。
同じよな事がサラリーマンでも起きると思います。

「企業」における二極化

コロナの影響でも、業界別で勝ち、負け業界に分かれています。
経済危機が騒がれている状況で、アマゾンやネットフリックスは株価の最高値を更新しています。GAFAなどのテクノロジー企業、キャリアなどのネットワーク業界などではプラスに働いています。一方、航空、観光、小売業界などは厳しいです。

ただ、ロナのような事が起きたという事は、ネットがサイバーウィルスなどにより、全く機能しなくなるという事も今後、起きるリスクがあるということです。

また、日本のエレクトロニクス業界のように、リーマンショック後に同じ業界でも勝ち組と負け組が明確になったように、コロナ後でも同様な事が起きると思います。

私の専門であるM&A的に言うと、今後、「事業ポートフォリオ見直し」、「業界再編」、「クロスインダストリー再編(例えば、IT企業が百貨店を買収)」、「ベンチャー経営統合/淘汰」などが加速していき、強い大企業のメガ大企業化は間違いなく、加速すると思います。

「社会」における二極化

ニュースで騒がれている「グローバル化」、「自由と民主主義」なども変化が訪れると思います。 安宅氏が述べている「風の谷」論も素晴らしい考えだと思います。

「ブレードランナー」な暗黒未来を迎えるのか、豊かな「風の谷」を創るのか

ただ、私は「風の谷」だけでは、より良い生活に対する人間の欲望を抑える事はできないと考えています。「ブレードランナー」が描くほどの暗黒都市でないにしろ、逆に、攻殻機動隊の新浜市のようなテクノロジーを最大限に駆使した超テックメガ都市が誕生するのではないかと思っています。

今後は、各地域内でのエコサイクルな「風の谷」とテクノロジーをリアルとデジタルで超進化させた「攻殻機動隊」に二極化するではないかと考えています。