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全裸監督(村西とおる)が戦略的に正しい5つの理由

ネットフリックスで話題の「全裸監督」を見ましたがが、村西とおる監督が極めて戦略的だったので、皆様にお伝えしたいと思います。

全裸監督 村西とおる伝

全裸監督 村西とおる伝

  • 作者:本橋 信宏
  • 発売日: 2016/10/18
  • メディア: 単行本
 

①ドミナント戦略

ビニ本販売において、北海道に集中的にお店を展開するが、これは、「①ドミナント戦略」です。
ある地域内における市場占有率を向上させて独占状況を目指すこの戦略は、

・出店した地域での知名度を上げるとともに利用客からの信頼向上
・知名度を上げることで早期の黒字化
・流通効率を上げるとともに運営コスト削減
・地域特性を把握しやすくなり商品戦略、価格戦略、販促戦略などが立てやすくなる
・本部は地域内の複数の店舗を効率的に管理できる

などのメリットが得られます。
ドラマでも、短期間の間で、知名度を上げ、莫大な利益をもたらした。

②バリューチェーンの垂直統合

その前後において、印刷会社、書店などを買収していますが、これは、「②バリューチェーンの垂直統合」です。

生産→物流→販売などの川上から川下を抑える事で、一気通貫で顧客へ商品/サービスを提供することで、付加価値を取り込む事できます。

これは、近年、生産拠点、物流・卸、コンビニなどの販売店など、川上から川下まで取り組んでいる総合商社と同じ戦略です。

③パラダイムシフトを的確に捉え、リソースを集中投下する

技術の進化により、ビニ本から時代はビデオ時代にシフトします。このような技術革新や消費者動向などでビジネスルールが変化する時(コンサル用語で言うパラダイムシフト)は、何よりもタイミングが難しいです。

特に、同市場で成功している企業は、過去の成功を否定することができず、この機会を逃す事が多々あります。ソニーがipodやiPhoneを技術的に製造する事はできたが、世に出す事ができなかったなどがその例です。

村西監督は、ビデオ誕生でこれからは、AV時代を確信して、ビニ本や裏本に執着する事なく、時間、人材、お金などの全リソースをAVに集中投資します。

④イノベーション

その後、ドラマ性のあるAV作品や、ホラ貝を利用、ハワイ撮影の強行など、既存ルールに囚われないで、このAV市場において、「④イノベーション」を起こし続けました。

ターゲット市場において、先行プレイヤーがいて、規模的にも敵わない競合がいる場合は、同じ戦い方をしても、勝てる訳がありません。そのために、既存ルールに囚われないアイデアで、イノベーションを起こし、勝つしかないのです。

⑤徹底的な顧客第一主義

そして、何よりも素晴らしいのは、「⑤徹底的な顧客第一主義」です。村西監督は、消費者が求める事を徹底的に追及して、それに答えています。誰よりも顧客視点を持って、顧客の事を考え、商品を創出しているのです。

これは、全ての企業においても、最も大切な考え方の一つです。